教員や保育士養成課程においては、短期間でピアノを弾いたり、弾き歌いをしたりできる実力をつけることが必要です。しかし、「初心者にとっては、音符や休符を間違えずに弾くだけでも大変なのに…」という声をよく聞かれます。本書はそのような人たちが、音楽的に表現できるようにという願いをこめて作りました。また、少し進んだ人や一般の音楽愛好家、指導者の方にも使っていただけるよう、よく使われる曲や有名な曲を選んでいます。本書の特長は表現曲線を書き入れたことです。楽譜では、音の高低が上下の関係に置き換えられますが、表現曲線で上下は、高揚感の程度を示すことになります。音楽の表現にはいろいろな解釈が可能で、それが音楽の魅力でもあります。よく知られている曲でも、新たな表現の世界が拓けてくることでしょう。